2004年05月25日
平成16年五月場所を終えて
朝青龍の連勝を35で止めた北勝力が優勝争いの先頭を走っていましたが,終ってみると順当に横綱朝青龍が3連覇を達成しました.間近で北勝力を見ていた人によると,千秋楽の北勝力はそれまでとは違ってガチガチに緊張していたようです.
さて,伊勢ノ海部屋の各力士の成績です.
■ 序盤戦と終盤戦に調子の良かった土佐ノ海ですが,中盤戦の5連敗がたたり,7勝8敗と1点の負け越しで場所を終えました.実力と番付とを考えると,もう少し勝って欲しかったというのが,周囲の希望ではありましたが,なかなかそううまく行かないところが相撲の難しいところなのかもしれません.来場所は入幕以来初の前頭二桁台の番付となります.
■ 大阪場所で痛めた右足の影響で,稽古不十分のまま五月場所にのぞんだ大碇ですが,さすがに身体のキレが戻っていなかったのか,3勝12敗という残念な成績で終りました.たっぷりと汗を流して稽古を十分にすれば,まだまだいけるはず.名古屋場所以降を期待しましょう.
■ 荒飛(最高位:三段目24.今場所:序二段4)が引退しました.
■ 四ツ車(幕下10)は,一年前に比べて随分と力強くなった印象を受けたのですが,千秋楽も敗れて残念ながら2勝5敗で今場所を終えました.強い力士達にもまれることを通じて,更に力をつけてくれることでしょう.
■ 一時期,調子を崩していた松田(三段目33)が先場所の6勝1敗に続いて,今場所も4勝3敗と勝ち越しを決めました.来場所次第では,平成12年九州場所以来の幕下も見えてきます.
■ 藤嵐(三段目99)が4勝3敗で,北の剛(序二段24)が5勝2敗で,それぞれ勝ち越しを決めました.この二人が三段目の上位あたりで活躍してくれると,部屋の雰囲気ももっと活気づいてくるはず.これからの活躍に期待です.
■ 荒飛(序二段4)が引退.11年間の相撲人生にピリオドを打ちました.細身の身体で,素早い動きと,思い切りの良い投げ技を得意とし,平成15年3月場所では,三段目24枚目まで番付を上げました.どちらかと言えば,感情を表には出さずに,淡々と相撲に取り組んでいた印象がありますが,断髪後の挨拶では感極まったのか涙声での挨拶となりました.内に秘めた思いには何か格別なものがあったのでしょう.第二の人生の門出を祝福したいと思います.