2004年01月31日
初場所を終えて
エントリーの登録が遅くなりましたが,未来への記録という意味で,初場所を終えての感想を残しておきます.MovableTyepでは日付の編集もできたはずだし,こういう点が便利です.
■ 大碇は9勝6敗となかなかの好成績.本人は,場所前にあまり関取衆との稽古ができなかったことを考えると上出来.というようなことを言っておりました.再入幕も期待されたのですが,回りに二桁勝ち星を上げた力士が3-4名いることを考えると難しそうです.
千秋楽パーティには婚約者とともに出席していた大碇.これからは,更に充実した土俵が期待できることでしょう.
■ 部屋頭の土佐ノ海ですが,4勝11敗と残念な成績.そういえば昨年の五月場所も三役(小結)で 4勝11敗でした.千秋楽パーティでは伊勢ノ海親方から,「今の大碇の状況を見て,土佐ノ海がどう奮起するかみものです」という一言がありました.もう少しガムシャラなところを見せてくれても良いかもしれません.
■ 幕下以下では,四ツ車が先場所に引き続き 5勝2敗と勝ち越しました.着実に実力を付けていることが良くわかります.鎌倉は6勝1敗と好成績を上げ,来場所の自己最高位更新を確実にしました.幕下昇進へは,もう一段の努力が必要です.
柏竜は一番相撲で右足を痛めましたが,後半盛り返しての3勝4敗.なんとか1点の負け越しで終えることができました.もう少しガッチリとした身体を作れば,三段目での勝ち越しも見えてくるでしょう.
松田は,右ヒジを痛めて,1勝6敗という残念な結果に終わりました.きっちりと身体を直して,来場所出直しです.
2004年01月14日
相撲が持つ色々な側面
伊勢ノ海部屋応援掲示板に,こんな↓書き込みがありました.
僕は学校で相撲についてテーマ研究をしています。もしよければいろいろ参考にしたいと考えているのですが、、、
僕は相撲は日本の伝統であると思うんですが、近年の若者はだんだん相撲に対する関心が減っていっているように思えます。このままの状態は非常に喜ばしくないって考えています。みなさんはこれからの相撲界についてどうお考えでしょうか?よければみなさんの意見をご教授してくれれば幸いです。
なわけで,相撲が持つ特徴を,簡単に振り返ってみたいと思います.
■ 最初の相撲
「日本書紀」には野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹶速(たいまのけはや)の死闘(ちからくらべ)が相撲のルーツであると言われています.
■ 神事としての相撲
農耕社会の日本では,五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願い,力人(ちからびと)達が競演を繰り広げることで,神へ感謝の意を表わしたりします.今でも各地の神社などで行われている奉納相撲は,神事としての相撲であると考えられます.
■ 相撲節(すまいのせち)
競技としての相撲と,(農耕儀礼のような)儀式としての相撲の両方の特徴を合わせて形式化し,天皇の御前で繰り広げられる相撲人(力士)たちの力競べ(取り組み)を相撲節と呼びます.これは毎年1回7月に開催され,9世紀から12世紀末までの約400年間に行われていた.この段階で,制度としての相撲が確立されたと言われています.
■ 武家相撲・職業相撲
ちょいと省略
■ 現代の相撲
大相撲(いわゆるプロ)とアマチュア相撲とがありますが,大相撲の繁栄とは対照的にアマチュア相撲の人気はほとんどありません.唯一の例外が小学生を対象としたわんぱく相撲で,予選参加者を含めた競技人口は1万人近くいるようです.しかしながら,中学・高校へ進学するにつれて,アマチュア相撲の競技人口は激減しています.
ただし,一部のアマチュア力士は大学まで相撲競技を続け,その後プロ入りし大相撲で活躍していることは,ご存知の通りです.平成16年初場所の幕内力士42名中,学生相撲出身者は 15名を超えています.更に,朝青龍や朝赤龍のように高校相撲経験者がそのままプロ入りし,比較的短期間のうちに関取となっている例もあります.
大相撲においては,マゲや行司の装束に見られるように,歴史的・文化的な部分を残しつつ,競技(興行?)としての相撲を発展させていますが,一方でアマチュア相撲では,制度やルールを洗練し,相撲を開かれた競技(スポーツ)とする努力をしています.その結果として,アマチュアの世界選手権大会が開催されたり,あるいは女性用の新相撲が設立されたりしています.
国際化という観点で見ると,大相撲では個々の力士が日本文化に順応することを(暗に)強いているのに対して,アマチュア相撲では日本文化を知らない国の人でも競技可能なように制度やルールを整備しているという違いがあります.例えば相撲の立ち合い.大相撲ではいわゆる「阿吽(あうん)の呼吸」を理解しないと満足な立ち合いができませんが,アマチュアでは「両手を土俵に着いて静止したのちに審判のかけ声とともに立ち合う」ことになっています.このようにルールを変更することで,誰でも比較的簡単に競技としての相撲を始めることができます.
■ テーマ研究に関して
上記のようなことをふまえつつ,相撲を見て面白いと感じる心はどのようにして育って行くのか.あるいは,ちょっと相撲でも取ってみようかと思った時に,気楽に相撲を取れる環境があるのか.神社のお祭り相撲に飛び入り参加した経験のある若者はどの程度いるのか.わんぱく相撲の経験はあるけど,結局相撲は続けずに他のスポーツに転向した人がどの程度いるのか(ラグビー転向者って結構多いようです).などなどを調査したりしてまとめると,いい感じになるんじゃないでしょうか?
と言いつつ,このぐらいのことをするのって高校生以上じゃないと厳しいような気がします.質問をしてくれた藤江ma-kun さんがもし中学生以下だとすると,あまり直接の参考にはならないかもしれません.その時はごめんなさい.
■ 参考図書
「相撲の歴史」,新田一郎,山川出版社.
「相撲、国技となる」,風見明,大修館書店.
「大相撲の経済学」,中島隆信,東洋経済新報社.
2004年01月13日
初場所:初日と二日目
土佐ノ海は二連敗スタートですが,それなりに自分の相撲が取れているので,あまり心配無いような気がします.初日の旭鷲山戦は,あまりにもバカ正直に突っ込み過ぎたきらいもありますが,引き技を気にするあまり逆に萎縮してしまうと,以降の相撲に影響してしまいます.二日目の魁皇戦を見る限り,身体は良く動いていて自分得意の右四つに組み止めることができました.最後は投げの打ち合いで魁皇の下手投げに屈してしまいましたが,これは仕方のないことでしょう.連敗スタートのことは気にせずに,まずは初日を出してもらいたいです.
大碇は,先場所に引き続き好調のようです.初日こそ千代天山の粘りで,残念な星を落としてしまいましたが,二日目の若天狼戦では一方的な相撲で初日を出すことができました.先場所並みの好成績も期待できそうです.
幕下以下は,下記に示す通り 8勝5敗とまずまずの成績です.
そんな中,驚異的な粘りを見せて白星を上げた柏竜の活躍を写真を使って紹介しましょう.柏竜は身長 175cmで体重 111kg.どちらかと言うと小兵.入門2年目でまだまだ身体の線が細い感じがします.一番相撲の相手は入間川部屋の竜司(たつつかさ).身長 190cm,体重 130kg と大きな相手です.四つ相撲を得意とする柏竜は回しを引いて相手の横につき何とか自分十分の体勢を作ろうとしましたが,最後は捕まってしまい,寄り切られたか...と思った瞬間,驚異的な粘りを見せ,相手の勇み足を誘い見事白星を上げました.詳しくは下記の写真を見てください.
■ 寄られながらも土俵際粘る柏竜.背中が柏竜です.
■ 拡大写真.相手の右足がまさに俵を踏み越えるところが良くわかります.それに対して柏竜の両足は土俵の中.
■ しかし,足を傷めてしまい,土俵下でうなだれる柏竜.もしかすると,残す時に左足首あたりを捻ったのかもしれません.この取り組み,物言いがつきましたが,結局は軍配通り柏竜の勝ちとなりました.勇み足をきちんと見ていた行司の木村勘九郎もエライ!軍配を上げる時に,少々首を捻っていましたけどね.
一番相撲の結果
○ 松田,鎌倉,柏竜,北の剛,沖ノ龍,藤縄,荻野目,大筑波
● 四ツ車,荒飛,瀧ノ音,藤嵐,鈴木
2004年01月12日
平成16年初場所が始まりました
年末にインフルエンザにかかり39度あたりを4日ほどさまよい,伊勢ノ海部屋忘年会を欠席し,それでも何とか1月3日の後援会稽古総見には出席したのですが,ネット活動のパワーが足りないなぁ...なんてボ~ッとしているうちに平成16年の初場所が始まってしまいました.
伊勢ノ海部屋関連での,今年の見どころを上げてみましょう.
まずは十両4枚目に番付を上げてきた大碇.婚約も発表し,気力も充実.初場所で勝ち越して,3月7日の結婚式は是非とも幕内力士として迎えたいところ.今年は幕内での活躍を期待します.
続いて,東関脇で初場所を迎えた土佐ノ海.大碇の結婚披露は決まっておりますが,土佐ノ海の大関披露はまだまだ未定.去年一年間は三役を三度経験(いずれも小結)したものの,勝ち越しは一度だけ.その代わり平幕で二度の十勝があります.もうあと一歩で大関候補へ再度名乗りをあげることができます.今年こそは是非とも三役で二桁の勝ち星を上げて,上位への挑戦を果たしてくれることを期待しています.
幕下以下では,四ツ車の関取挑戦が上げられます.昨年一年間通して幕下の地位を維持することができました.また,自己最高位を更新し続け,五月場所には八枚目まで番付を上げることができました.ただし,関取に昇進するためには,まだまだ地力をつける必要があります.稽古場では土佐ノ海・大碇の両関取に丁寧に可愛がってもらっていますので,遠からず幕下上位で活躍する日がくるものと思っております.その時には,勢いに乗って一気に関取の座を手にしてもらいたいですね.
他にも,もうひと伸びが期待できる,松田・鎌倉・柏竜・北の剛が三段目に控えております.こういう力士の活躍に注目しながら,相撲を楽しみたいと思います.