2004年10月03日
藤縄引退
藤縄(ふじなわ)が秋場所を最後に引退しました.平成5年初場所の入門で,五月場所後に辞めた荒飛とは同期に当たります.入門当時の体重が145kg,辞める直前の体重が 215kgで,最近では日本人の最高体重を友綱部屋の魁ノ若(かいのわか)と争っておりました.
取り口は巨体を活かした寄りを得意としておりましたが,逆にその巨体が自分の身体を痛めることもあり,最近では足の怪我に泣かされていました.最高位は序二段15枚目.
記憶に残る土俵上の姿としては,こんな場面がありました.3-4年前の(何場所か忘れましたが,とにかく)東京場所の初日.序二段の取り組みが順調に進んだところで,場内放送が「藤縄・大露羅の両者休場により...」とアナウンスするではありませんか.目の前には,土俵に上がろうとしている藤縄がいるにもかかわらず.場内放送を担当している行司さんが,アレ?という顔をしている藤縄に気がつき,ちょっとゴタゴタはありましたが,無事に不戦勝での勝ち星を上げることができました.
後で本人に聞いたところでは,足の調子が悪く本当だったら初日を休場するつもりだったけれども,先に場所入りしていた兄弟弟子から「相手が休むみたいだから,早く来い!」と言われて,慌てて場所入りした.なんてのが真相だったようです.
引退後は,大阪で飲食店関係の店に勤めて修行し,来年早々には千葉に戻ってくるかもしれないとのこと.今後の活躍を期待しています.
■断髪式の様子
・大筑波に声をかけられて,思わず笑顔に
・土佐ノ海のハサミ
・伊勢ノ海親方の止め鋏
・スーツに着替えてご挨拶
2004年10月02日
平成16年秋場所を終えて
大関・魁皇の5回目の優勝で幕を閉じた秋場所ですが,伊勢ノ海部屋にとってはなかなかキビシイ場所となりました.
まず,前頭4枚目の土佐ノ海.本来でしたら勝ち越しはもちろんのこと,二桁の勝ち星を上げて三役復帰を狙うべき場所でしたが,11日目で早々と負け越し.ただし,そこから盛り返して1点の負け越しで留めたところに意地を感じました.今まで分の悪かった北勝力にも最後に勝ってくれたことですし,必ずやこの勢いを来場所につなげてくれることでしょう.
幕下に落ちた大碇は,前半戦の相撲ぶりを見る限り,かなり良い成績を残してくれるもの期待しておりましたが,途中で失速.最後まで本来の調子を取り戻すことができませんでした.本人にたずねてみたところ,取り組み数が少なかったので体力的にはずいぶんと楽だったものの,本場所に入ったという気分になれなかったようです.心と身体を合わせた全体のバランスを是非とも回復して,次の九州場所にのぞんで欲しいものです.
幕下以下では,序二段の北の剛・荻野目・大筑波の3人が4勝3敗で勝ち越しはしましたが,他の力士達はいずれも負け越しという残念な成績となりました.また,三段目の松田が二番相撲で敗れた際に,左足甲の靭帯を損傷し,その後は休場となりました.あせらずにしっかりと治して欲しいです.
最後に,序二段の藤縄が十二年の土俵生活に別れを告げ,引退しました.藤縄引退については,また項を改めます.
◆平成16年秋場所成績
土佐ノ海(西前頭4)7勝8敗
【幕下】
大碇(東6)2勝5敗,四ツ車(西23)3勝4敗
【三段目】
鎌倉(西29)2勝5敗,松田(東56)1勝1敗4休
藤嵐(西62)2勝5敗,瀧ノ音(西72)0勝7敗
【序二段】
北の剛(東9)4勝3敗,荻野目(西87)4勝3敗
鈴木(東89)1勝6敗,大筑波(東99)4勝3敗
藤縄(西100)2勝5敗